水曜日, 10月 22, 2014

「セーフ・ハウス」(Safe House:安全な家)


「ガラス張り」から「コンクリート要塞」に変身する、用心深い家

ボタンひとつで、明るく開放的なモードから、侵入不可能なコンクリートの要塞に変身する家を紹介。


TEXT BY CHARLIE SORREL
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO

WIRED NEWS (US)

セーフ・ハウス」(Safe House:安全な家)は、矛盾をはらんだ家だ。無数の大きな窓のおかげで明るくて風通しがよく、開放的でありながら、侵入することはほぼ不可能にもできるのだ。
ポーランドの建築家KWK・プロメスが設計したこの家には、ふたつの姿がある。在宅中で、状況が安心できるときには、「無防備」モードで開放的な家になる。家の1面は全体がガラス張りで、間仕切りのない屋内は外の世界に対してオープンだ。2階からは、屋内プールを備えた別の建物に続く可動式渡り廊下まである。
左側は別棟の屋内プール。
だが、ハロウィンの日にお菓子を強引にねだる子ども達など、問題の兆しが見えたら、ボタンを押して家を封鎖し、要塞に変身させる。家の正面にあるシャッターは閉まり、巨大なコンクリート平板が動いて窓を塞ぐ。渡り廊下は引き上げられ、建物は完全に外界から隔絶される。
渡り廊下も引き上げられる。
いったいどういう人が、このような家を欲しがるのだろうか?
マフィアか? 麻薬王か? それとも、被害妄想に苛まれた平凡なただの米国人だろうか? いや、この家を欲しがったのは、ワルシャワ郊外に住む非常に用心深い顧客だという。
緊急時に避難できるパニックルーム(この場合はパニックハウス?)の必要性をなくす最良の方法は、家宅侵入が起きないような国の田舎に住むことのように筆者には思える。だが、あまりにも多くのガジェットを所有している者のひとりとして考えると、留守中の防衛手段の必要性は理解できる。この驚くべきコンクリート製の家に住めば、泥棒について心配せずに、2週間の休暇に出かけられることだろう。